呼吸臨床

【特集】日本人が見つけた自己抗原・抗原

企画:宮崎泰成


 すべての疾患において,原因が明らかにされると疾患概念は変ってくる。特に,免疫アレルギー疾患においては,その疾患の原因である自己抗原や抗原が明らかになると,病態が明らかになり,最終的にはそれまでの診断や治療戦略が見直され大きく変わることがある。

石坂公成博士のIgEの発見を始め,日本人はアレルギー性疾患の分野で多大な貢献をして来た。本企画においては,各専門家の皆様に,日本人による自己抗原・抗原の発見がその疾患概念や診断・治療にどのような与えた影響を与えたかについて概説していただく。

過敏性肺炎の原因抗原:夏型過敏性肺炎の原因抗原特定に至るまでの経緯と鳥関連過敏性肺炎の抗原同定の試み

白井 剛* 宮﨑 泰成*

*東京医科歯科大学呼吸器内科(〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45)


Antigens in hypersensitivity pneumonitis: identification of the causative antigen in summer-type and bird-related hypersensitivity pneumonitis

Tsuyoshi Shirai*, Yasunari Miyazaki*

*Department of Respiratory Medicine, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo


Keywords:過敏性肺炎,夏型過敏性肺炎,鳥抗原,ハトImmunoglobulin lambda-like polypeptide-1/hypersensitivity pneumonitis, summer-type hypersensitivity pneumonitis, bird antigen, pigeon immunoglobulin lambda-like polypeptide-1


呼吸臨床 2017年2巻2号 論文No.e00014
Jpn Open J Respir Med 2017 Vol. 2 No. 2  Article No.e00014

DOI: 10.24557/kokyurinsho.2.e00014


掲載日:2018年2月1日


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要旨

 夏型過敏性肺炎はわが国特有の気候風土を背景とした過敏性肺炎の一種であり,本邦研究者の地道な努力により原因抗原であるTrichosporon属が同定された。一方,鳥関連過敏性肺炎は慢性過敏性肺炎の最も多い原因であるが,原因抗原については未だ不明な点が多い。最近,筆者らはハト糞,ハト血清中に含まれる抗原成分,ハトImmunoglobulin lambda-like polypeptide-1を同定した。夏型過敏性肺炎の抗原同定に至るまでの経緯を含めて概説する。