呼吸臨床

【特集】「成人肺炎診療ガイドライン2017」を読み解く

企画:川名明彦


 肺炎は,今後も社会の高齢化を反映して増加し続けると予想されます。肺炎はありふれた疾患で,呼吸器科以外の医師も遭遇し得る一方,専門的な知識も求められ,適切な肺炎診療のあり方を示すガイドラインの必要性は高いといえます。このたび日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインが10年ぶりに改定されました。新ガイドラインは,真の意味でのevidence based medicineを実践し,「Minds診療ガイドライン作成の手引き」に準拠するなど新しい考え方が導入されています。それと同時に冊子のページ数は旧版のほぼ倍に増え,短時間でその内容を掴むにはややハードルが高くなったようにも見えます。本特集では,この新ガイドラインのポリシーと内容をコンパクトに解説いただくことを企図し,作成に関わった先生方にご執筆をお願いしました。

院内肺炎/医療・介護関連肺炎

朝野和典*

*大阪大学医学部附属病院感染制御部(〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15)


Hospital-acquired pneumonia/Nursing and healthcare-associated pneumonia

Kazunori Tomono*
*Infectiron Control Team, Osaka University Hospital, Suita


Keywords: 成人肺炎診療ガイドライン2017,院内肺炎,医療・介護関連肺炎,人生の最終段階,個人の意思の尊重/Clinical practical guideline for pneumonia in adult, 2017,hospital-acquired pneumonia,nursing and healthcare-associated pneumonia,end of life,respect for the will of the individual


呼吸臨床 2018年2巻1号 論文No.e00007
Jpn Open J Respir Med 2018 Vol. 2 No. 1 Article No.e00007

DOI: 10.24557/kokyurinsho.2.e00007


掲載日:2018年1月13日


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要旨

 日本呼吸器学会の成人肺炎診療ガイドライン2017では,最初に患者を「市中肺炎」と「医療・介護関連肺炎+院内肺炎」の2つに分けて診療を開始する。医療・介護関連肺炎と院内肺炎を一緒にしたのは,この2つの肺炎の患者には人生の最終段階(終末期)の患者が含まれ,個人の意思の尊重を最優先するべきと考えられたからである。人生の最終段階以外の患者に対しては,薬剤耐性菌のリスクの有無と重症度をもとにescalation治療とde-escalation治療の方法を用いて抗菌薬の推奨を示している。