呼吸臨床

【特集】「成人肺炎診療ガイドライン2017」を読み解く

企画:川名明彦


 肺炎は,今後も社会の高齢化を反映して増加し続けると予想されます。肺炎はありふれた疾患で,呼吸器科以外の医師も遭遇し得る一方,専門的な知識も求められ,適切な肺炎診療のあり方を示すガイドラインの必要性は高いといえます。このたび日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインが10年ぶりに改定されました。新ガイドラインは,真の意味でのevidence based medicineを実践し,「Minds診療ガイドライン作成の手引き」に準拠するなど新しい考え方が導入されています。それと同時に冊子のページ数は旧版のほぼ倍に増え,短時間でその内容を掴むにはややハードルが高くなったようにも見えます。本特集では,この新ガイドラインのポリシーと内容をコンパクトに解説いただくことを企図し,作成に関わった先生方にご執筆をお願いしました。

肺炎予防

丸山貴也*

*国立病院機構三重病院呼吸器内科(〒514-0125 三重県津市大里窪田町357)


Prevention of pneumonia

Takaya Maruyama*
*Department of Respiratory Medicine, National Hospital Organization Mie National Hospital, Tsu


Keywords:肺炎,肺炎球菌ワクチン,インフルエンザワクチン,誤嚥性肺炎,口腔ケア/pneumonia,pneumococcal vaccine,influenza vaccine,aspiration pneumonia,oral care



呼吸臨床 2018年2巻1号 論文No.e00009
Jpn Open J Respir Med 2018 Vol. 2 No. 1 Article No.e00009

DOI: 10.24557/kokyurinsho.2.e00009


掲載日:2018年1月23日


©️Takaya Maruyama. 本論文の複製権,翻訳権,上映権,譲渡権,貸与権,公衆送信権(送信可能化権を含む)は弊社に帰属し,それらの利用ならびに許諾等の管理は弊社が行います。

要旨

 肺炎の原因微生物の中で最も頻度が高いのが肺炎球菌であるが,インフルエンザ感染後の二次感染による重症化が指摘されている。特に65歳以上の高齢者ではインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種が重要である。また,高齢や慢性の基礎疾患により,ADLや全身機能の低下による嚥下機能障害が背景にある場合には誤嚥による肺炎発症のリスクが高いため,口腔ケアにより口腔内を清潔に保つ必要がある。