【特集】「成人肺炎診療ガイドライン2017」を読み解く

企画:川名明彦


 肺炎は,今後も社会の高齢化を反映して増加し続けると予想されます。肺炎はありふれた疾患で,呼吸器科以外の医師も遭遇し得る一方,専門的な知識も求められ,適切な肺炎診療のあり方を示すガイドラインの必要性は高いといえます。このたび日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインが10年ぶりに改定されました。新ガイドラインは,真の意味でのevidence based medicineを実践し,「Minds診療ガイドライン作成の手引き」に準拠するなど新しい考え方が導入されています。それと同時に冊子のページ数は旧版のほぼ倍に増え,短時間でその内容を掴むにはややハードルが高くなったようにも見えます。本特集では,この新ガイドラインのポリシーと内容をコンパクトに解説いただくことを企図し,作成に関わった先生方にご執筆をお願いしました。

システマティックレビューの考え方

藤倉雄二*

*防衛医科大学校病院医療安全・感染対策部,内科学講座(感染症・呼吸器)


The philosophy of systematic review

Fujikura Yuji*

*Division of Infectious Disease and Respiratory Medicine, Department of Internal Medicine, National Defense Medical College, Tokorozawa


Keywords:システマティックレビュー,メタ・アナリシス,エビデンス,診療ガイドライン,ランダム化比較試験/systematic review,meta-analysis,evidence,clinical guideline,randomized controlled trial



呼吸臨床 2018年2巻2号 論文No.e00010
Jpn Open J Respir Med 2018 Vol. 2 No. 2 Article No.e00010

DOI: 10.24557/kokyurinsho.2.e00010


掲載日:2018年2月28日


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要旨

 診療における最良のエビデンスを得るためには,網羅的な文献収集や,研究結果の効果的な評価・統合に基づく必要があり,一連の過程をシステマティックレビューと呼ぶ。現在の診療ガイドラインの多くは,さまざまな臨床課題について,システマティックレビューの結果を考量して診療方法の推奨を示していることから,その基本的な考え方を知ることはガイドラインを読み解くうえでも必須である。