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企画:藤倉雄二
近年のシーケンス技術進歩により,従来培養が困難であったさまざまな微生物も含め,生体内における微生物叢が比較的迅速かつ網羅的に同定されるようになった。特に腸内細菌叢の領域では先駆的に研究が進んでおり,疾患との関連についてさまざまな知見が蓄積されている。呼吸器領域においても,従来無菌と思われていた下気道には細菌叢・微生物叢が形成されていることが知られるようになり,呼吸器疾患における細菌叢との関係が徐々に明らかになりつつある。細菌叢やそのゲノム情報を含むマイクロバイオームmicrobiomeはヒト個体間のみならず個体内で多様性を有するものの,疾患によりある一定の特徴を有する可能性が指摘されており,その定常状態・破綻した状態と疾患の発症・増悪についての研究が進んでいる。
本企画では,呼吸器疾患における各領域とマイクロバイオームとの関連について,現在の知見に基づいた最先端の領域を各専門の先生方に解説していただき,興味を深めるとともに,今後の研究・進歩の基盤とすることを目的とした。
三重大学医学部附属病院呼吸器内科(〒514-8507 三重県津市江戸橋2-174)
The microbiome in respiratory diseases
Tetsu Kobayashi
Department of Pulmonary and Critical Care Medicine, Mie University Graduate School of Medicine, Mie
Keywords:細菌叢,マイクロバイオーム,16S rRNA,呼吸器疾患,次世代シーケンサー/microbiota, microbiome,16S rRNA,respiratory diseases,next generation sequencer(NGS)
呼吸臨床 2021年5巻1号 論文No.e00115
Jpn Open J Respir Med 2021 Vol.5 No.1 Article No.e00115
DOI: 10.24557/kokyurinsho.5.e00115
掲載日:2021年1月21日
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