" /> 【特集】遺伝子診断を加味した画像診断■EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の画像的特徴■長谷川瑞江,ほか |
呼吸臨床

【特集】遺伝子診断を加味した画像診断

企画:楠本昌彦


 肺癌のドライバー遺伝子変異に関しては複数が見つかっており,それに対応した分子標的薬は肺癌診療を大きく進歩させつつある。肺癌の遺伝子異常は数多く調べられているが,これらの遺伝子異常とその肺癌が持つ画像的特徴については,まだまだ広く知られる状況にはない。それは,おそらくこれらの遺伝子情報が画像所見と直接結びつかないためと思われる。かといって,まったく無関係であるというのでもなさそうである。今回は,現在よく知られている肺癌の遺伝子異常とその肺癌がもつ画像的特徴について,現時点でどれだけの関連性があるのか,ないのか,ということに力点をおいてそれぞれのエキスパートに概説していただき,そのうえで臨床現場に還元できるところを探っていきたい。

EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の画像的特徴

長谷川瑞江*,** 酒井文和**

*埼玉医科大学国際医療センター画像診断科(〒350-1298 埼玉県日高市山根1397-1)

**東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器内科


Radiological features of epidermal growth factor receptor-mutated adenocarcinoma of the lung

Mizue Hasegawa*,**,Fumikazu Sakai*

*Department of Diagnostic Radiology, Saitama International Medical Center, Saitama Medical University, Hidaka

**Division of Respiratory Medicine, Tokyo Women’s Medical University, Yachiyo Medical Center, Yachiyo


Keywords:EGFR遺伝子変異,CT,肺癌,腺癌/epidermal growth factor receptor mutation,computed tomography,lung cancer,adenocarcinoma



呼吸臨床 2018年2巻8号 論文No.e00047
Jpn Open J Respir Med 2018 Vol.2 No.8  Article No.e00047

DOI: 10.24557/kokyurinsho.2.e00047


掲載日:2018年8月3日


©️Mizue Hasegawa, et al. 本論文の複製権,翻訳権,上映権,譲渡権,貸与権,公衆送信権(送信可能化権を含む)は弊社に帰属し,それらの利用ならびに許諾等の管理は弊社が行います。





要旨

 EGFR遺伝子変異の有無により,肺癌,特に肺腺癌の治療方針や予後は大きく異なる。近年,EGFR遺伝子変異と肺腺癌のCT画像での特徴についての論文がいくつか報告されており,原発巣周囲のすりガラス陰影や収縮傾向,多発肺内転移がEGFR遺伝子変異肺腺癌で多く認められる所見であることを指摘している。同様に,ALK融合遺伝子やRET融合遺伝子,さらにPD-L1陽性肺癌などについても,その画像所見についての研究が報告されている。CT所見である程度の遺伝子変異やPD-L1発現の有無が予測できれば,より早い段階で検査計画や治療方針を検討することが可能であり,臨床的に有用である。一方で画像所見というきわめてマクロなデーターと遺伝子レベルでの異常が真に関連性をもっているのかどうか,いまだ明らかではない。現在までの報告に関しても,その研究コホートの違いなどが原因と考えられる差異があり,必ずしも一致する結果ではない。本稿では,過去に著者らが報告した自験例とともに現在までに報告された研究と比較しながらEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の画像的特徴と問題点について解説する。