" /> 【連載】肺癌画像診断の“勘”どころ〜最終診断への道しるべ①■胸部単純X線写真読影のコツ:肺野結節陰影■野間惠之 |
呼吸臨床

【連載】肺癌画像診断の“勘”どころ〜最終診断への道しるべ

企画:酒井文和


 肺癌の診断における画像診断の役割は,その検出,肺癌かその他の疾患かの鑑別診断,臨床病期分類などさまざまな役割がある。現在では,単純X線撮影の主な役割は異常陰影の検出,CTは肺癌か他疾患かの鑑別診断,臨床病期分類の診断などが挙げられる。またMR,FDG-PETが併用されることも少なくない。これらの多岐にわたる画像診断をいかにうまく組み合わせて最終診断にいたるか,また主な画像所見とどのような画像所見が鑑別上重要か? 鑑別診断のコツなどを解説いただく。肺癌集団検診の動向,合理的運用方法,また検診で発見された異常の合理的扱い方法についても解説いただく。

胸部単純X線写真読影のコツ:肺野結節陰影

野間惠之*


*天理よろづ相談所病院放射線科(〒632-8552 奈良県天理市三島町200)


Reading skills of lung tumor in plain radiographs

Satoshi Noma*

*Department of Radiology, Tenri Hospital, Nara


Keywords:正常構造の見え方,かくれんぼ肺癌,かすかな左右差,過去の写真を探せ,2方向の写真/normal structure,hide and seek  lung cancer,faint difference of the left and right in density,look for past radiographs,front and lateral view


呼吸臨床 2019年3巻3号 論文No.e00078
Jpn Open J Respir Med 2019 Vol.3 No.3  Article No.e00078

DOI: 10.24557/kokyurinsho.3.e00078


掲載日:2019年3月21日


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要旨

 胸部単純X線写真で結節影を探す場合の読影ポイントを示し,各ポイントを理解するための典型例をクイズ形式で示した。1.正常を理解する,2.かくれんぼ肺癌を見抜く,3.かすかな左右差に注意する,4.できれば初回には2方向撮る,5.過去の写真を探す,6.結節の形を取らない腫瘍もある,などである。これらのポイントを身に着けると見落としの多くは防げるはずである。


図表