呼吸臨床

【特集】特発性間質性肺炎の診療の現状と将来展望

企画:小倉高志


 最近,特発性間質性肺炎(IIPs)は次の点で注目されています。①IIPsの中でも頻度の高く,難治性といわれている特発性肺線維症(IPF)に対する2つの抗線維化薬(ピルフェニドン,ニンテダティブ)が出現して,IIPsならIPFか,それ以外のnon-IPFかの鑑別がすることが治療選択や予後に大きく影響を与えるようになりました。②無症状で潜在性な間質性肺炎患者が増加している可能性が示唆されています。すなわち,いくつもの成人病のコホート,肺癌やCOPDのCT検診でInterstitial Lung Abnormalities(ILA)を8〜10%に認めて,その一部はIPFに進展する可能性あるという報告がされています。呼吸器内科医すべてが,IIPsの診断,治療にかかわる機会が多くなることが予想されます。今回,IIPs診療の第一線で治療にあたっている専門家にIIPsの最近の診断と治療について解説していただきます。

IPFガイドライン

坂東政司*

*自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門(〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1)


Guidelines for idiopathic pulmonary fibrosis

Masashi Bando*
*Division of Pulmonary Medicine, Department of Medicine, Jichi Medical University, Tochigi


Keywords: 特発性肺線維症,診療ガイドライン,クリニカルクエスチョン,推奨/idiopathic pulmonary fibrosis,clinical practice guideline,clinical question,recommendation


呼吸臨床 2017年2巻4号 論文No.e00038
Jpn Open J Respir Med 2018 Vol.2 No.4  Article No.e00038

DOI: 10.24557/kokyurinsho.2.e00038


掲載日:2018年4月17日


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要旨

 IPFの診断および治療に関する国際ガイドライン(GL)は,2011年にアメリカ胸部医学会(ATS)/ヨーロッパ呼吸器学会(ERS)/日本呼吸器学会(JRS)/ラテンアメリカ胸部医学会(ALAT)から科学的根拠に基づく診断および管理ガイドライン(GL)として発刊された。その後,治療については2015年にATS/ERS/JRS/ALAT治療に関する実臨床(clinical practice)GL(2011年GLの改訂版)が刊行され,診断については新たなエビデンスを踏まえ,診断基準やアルゴリズムの改訂作業が現在行われている。
 
 一方,日本のIPFの治療GLは2017年2月に厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「びまん性肺疾患に関する調査研究」班により,国内のIPF診療の実情に合った治療法を提示することを目的とし,「IPFの治療ガイドライン2017」として刊行された。今後本GLが,わが国におけるIPF患者ケアの向上,診療体制の構築,臨床研究の推進に向けた起点として利活用されることが期待される。