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呼吸臨床

【特集】呼吸機能イメージングの新たな展開

企画:平井豊博


 スパイロメトリーや肺気量分画,肺拡散能力などの呼吸機能検査は,日常の呼吸器診療や臨床研究において,疾患の診断や治療効果の判定,病態解析などに広く用いられていますが,呼吸機能を可視化し定量化することができれば,肺の構造との対比をより明確にしたり,動的な変化を捉えたりするなど従来にはないさまざまな情報を与えてくれると期待されます。このような呼吸機能イメージングは,近年のME機器や画像処理技術の進歩に伴い,めざましく発展してきています。そこで本特集では,今後期待される新しい呼吸機能イメージングの各種モダリティについて,基本的な原理から臨床での有用性,今後の課題や展望などについて,それぞれの専門家の先生方からわかりやすく解説いただきます。

パターン光投影による非接触呼吸計測

仲村秀俊*

*埼玉医科大学病院呼吸器内科(〒350-0495 埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38)


Non-contact measurement of respiration by pattern light projection method

Hidetoshi Nakamura*

**Department of Respiratory Medicine, Saitama Medical University, Saitama


Keywords:FGセンサー,Kinectセンサー,COPD,安静換気,運動負荷/FG sensor,Kinect sensor,COPD,quiet breathing,exercise tolerance


呼吸臨床 2018年2巻10号 論文No.e00054
Jpn Open J Respir Med 2018 Vol.2 No.10  Article No.e00054

DOI: 10.24557/kokyurinsho.2.e00054


掲載日:2018年10月25日


©️Hidetoshi Nakamura. 本論文の複製権,翻訳権,上映権,譲渡権,貸与権,公衆送信権(送信可能化権を含む)は弊社に帰属し,それらの利用ならびに許諾等の管理は弊社が行います。





要旨

 バイタルサインとして呼吸数は重要であるが,外来では計測されない場合が多い。スパイロメトリーではマウスピースとノーズクリップを装着するため,自然な状態での1回換気量測定は難しい。また,呼吸器疾患患者の運動機能評価は重要であるが,換気量の解析を行うには呼気ガス分析が必要である。Fiber-grating(FG)センサーとKinectセンサーでは,体幹部へのパターン光投影により非接触で自然な呼吸運動の計測が可能である。簡便に安静および運動中の呼吸運動モニタリングを可能とするテクノロジーとして臨床応用が期待される。

文献

  1. 青木広宙, ほか. ファイバーグレイティング視覚センサを用いた睡眠時呼吸障害スクリーニング方法の提案. 電気学会論文誌C. 2004; 124: 1744-52.
  2. Sato I, et al. Non-contact breath motion monitoring system in full automation. Proc Ann Conf IEEE Eng Med Biol Soc (Shanghai). 2005; 4: 3448-51.
  3. Tsujimura S, et al. Evaluation of a new fiber-grating vision sensor for assessing pulmonary functions in healthy and COPD subjects. Physiol Meas. 2011; 32: 1701-13.
  4. 青木広宙, ほか. 自己組織化マップを用いた慢性閉塞性肺疾患スクリーニング. 電気学会論文誌C. 2015; 135: 937-43.
  5. 青木広宙, ほか. パターン光投影による非接触呼吸計測を用いた換気性換気性作業閾値算定の提案. 電気学会論文誌C. 2011; 131: 152-9.
  6. Aoki H, et al. Non-contact respiration measurement during exercise tolerance test by using Kinect sensor. Sports. 2018; 6: 23.