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【連載】呼吸器内科医のための肺移植の診かた/A guide to lung transplant for pulmonologists
*東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野(〒980-8575宮城県仙台市青葉区星陵町4-1)
**東北大学病院臓器移植医療部
Immunosuppression after lung transplantation
Takashi Hirama*,**
*Department of Thoracic Surgery, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University
**Division of Organ Transplantation, Tohoku University Hospital
Keywords:肺移植,免疫抑制薬,タクロリムス,シクロスポリン,ミコフェノール酸,薬物相互作用/lung transplant, immunosuppression, tacrolimus, cyclosporine A, mycophenolate mofetil, drug interaction
呼吸臨床 2022年6巻10号 論文No.e00159
Jpn Open J Respir Med 2022 Vol. 6 No. 10 Article No.e00159
DOI: 10.24557/kokyurinsho.6.e00159
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人間には自己と非自己を認識する能力がある。肺移植レシピエント(ホスト)の免疫能は,ドナー肺(グラフト)を非自己と認識し,排除するように作用する。これが拒絶反応であり,発症時期,免疫機構等により分類されている。肺移植レシピエントはグラフト機能に依存しているため,拒絶反応によりグラフト機能不全に至れば致命傷となってしまう。この点から,肺移植レシピエントは拒絶反応を抑制するため免疫抑制薬を生涯にわたり服用する必要がある。ここでは肺移植に用いられる免疫抑制薬について記載するが,移植施設により免疫抑制療法プロトコールは異なる。そのため,本連載では東北大学病院またはトロント総合病院の使用例を提示しながら解説する。