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【連載】呼吸器内科医のための肺移植の診かた/A guide to lung transplant for pulmonologists
*東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野(〒980-8575宮城県仙台市青葉区星陵町4-1)
**東北大学病院臓器移植医療部
Fundamental management of lung transplant recipients: Graft function and complication, physiotherapy and dietotherapy
Takashi Hirama*,**
*Department of Thoracic Surgery, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University
**Division of Organ Transplantation, Tohoku University Hospital
Keywords:肺移植,グラフト機能,行動変容,理学療法,食事療法,栄養管理/lung transplant, graft function, behavior change, physiotherapy, dietotherapy, nutritional management
呼吸臨床 2022年6巻12号 論文No.e00161
Jpn Open J Respir Med 2022 Vol. 6 No. 12 Article No.e00161
DOI: 10.24557/kokyurinsho.6.e00161
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肺移植レシピエントは移植肺(グラフト)機能に依存しているため,診療で最優先すべき管理はグラフト機能維持である。そのグラフト機能に影響を及ぼす主な合併症が感染症と拒絶反応であり,肺移植レシピエントの診療は,感染症の予防,感染症の早期発見・早期治療,拒絶反応の発症防止,拒絶反応の早期発見・早期治療を重点的に診るようにする。拒絶反応には細胞性免疫や液性免疫(抗体関連)によるものもあるが,診療で大きな問題となるのが慢性移植肺機能不全である。一方,移植手術に至るまで長期にわたる呼吸器疾患から年齢相応の日常生活を送ることが困難であった肺移植レシピエントにとって,呼吸理学療法と栄養食事療法は,待機中(移植前),周術期,移植後のいずれの時期でも欠かすことはできない。ここでは,肺移植レシピエントのグラフト管理とその合併症,呼吸理学療法,栄養食事療法について解説する。