" />
【連載】呼吸器内科医のための肺移植の診かた/A guide to lung transplant for pulmonologists
*東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野(〒980-8575宮城県仙台市青葉区星陵町4-1)
**東北大学病院臓器移植医療部
Long-term management of lung transplant recipients: Hypertension, dyslipidemia, diabetes, osteoporosis and chronic kidney disease
Takashi Hirama*,**
*Department of Thoracic Surgery, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University
**Division of Organ Transplantation, Tohoku University Hospital
Keywords:肺移植,呼吸器内科医,高血圧,脂質異常症,糖尿病,骨粗鬆症,慢性腎臓病/lung transplant, respirologist, hypertension, dyslipidemia, diabetes, osteoporosis, chronic kidney disease
呼吸臨床 2023年7巻1号 論文No.e00164
Jpn Open J Respir Med 2023 Vol. 7 No. 1 Article No.e00164
DOI: 10.24557/kokyurinsho.7.e00164
©️Takashi Hirama. 本論文の複製権,翻訳権,上映権,譲渡権,貸与権,公衆送信権(送信可能化権を含む)は弊社に帰属し,それらの利用ならびに許諾等の管理は弊社が行います。
肺移植レシピエントは,移植前より有する基礎疾患のほか,移植後は免疫抑制薬を生涯にわたり服用するため,基礎疾患の進行や薬剤の副作用により慢性期にも様々な合併症を発症する。移植肺(グラフト)機能維持のため,それら副作用や合併症を認めても原因となる免疫抑制薬の減量をせず,薬物療法で対応することが多い。そのため,肺移植レシピエントは多くの薬剤を服用することになるので,薬物療法の必要性,治療目標,副作用について十分に理解する必要がある。薬物療法は,移植レシピエントも非移植患者も治療目標は同じであるものの,薬剤選択においては,①免疫抑制薬や感染症予防薬との相互作用を考慮すること,②副作用が出やすいため少量から開始すること,③腎機能に応じた投与量の調整が必要であることに注意する。ここでは,肺移植レシピエントの慢性期に多く認められる高血圧,脂質異常症,糖尿病,骨粗鬆症,慢性腎臓病について解説する。