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【連載】呼吸器内科医のための肺移植の診かた/A guide to lung transplant for pulmonologists
*1東京大学医学部附属病院呼吸器外科(〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1)
*2東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野
*3東北大学病院臓器移植医療部
Overview of lung transplant surgery from a deceased donor
Masaaki Sato*1, Takashi Hirama*2,*3
*1Department of Thoracic Surgery, The University of Tokyo Hospital
*2Department of Thoracic Surgery, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University
*3Division of Organ Transplantation, Tohoku University Hospital
Keywords:肺移植,呼吸器外科,レシピエント,ドナー,ECMO,吻合/lung transplant, thoracic surgeon, recipient, donor, ECMO, anastomosis
呼吸臨床 2023年7巻6号 論文No.e00174
Jpn Open J Respir Med 2023 Vol. 7 No. 6 Article No.e00174
DOI: 10.24557/kokyurinsho.7.e00174
©️Masaaki Sato, et al. 本論文の複製権,翻訳権,上映権,譲渡権,貸与権,公衆送信権(送信可能化権を含む)は弊社に帰属し,それらの利用ならびに許諾等の管理は弊社が行います。
肺移植手術は呼吸器外科分野において最も侵襲が大きく技術的に高度な手術の1つである。体外循環の取り扱いなど,通常の呼吸器外科手術ではあまり行わない手技が必要となる一方,気管支吻合,血管吻合など呼吸器外科医によって是非身につけたい技術を多く含んでいる。また術前評価から手術戦略,術後管理まで欧米の肺移植患者と比べても困難で複雑な症例が多く,技術だけではなく豊富な知識と経験,そして何より心臓外科,麻酔科,臨床工学技士,看護師,ICU医師,呼吸器内科医などとの高度なチームワークが要求される。本稿では脳死肺移植の手術に絞ってその概要を解説する。現在,東京大学医学部附属病院では年間30件以上の肺移植をコンスタントに行っているが,基本的にその技術はトロント大学の肺移植手技をベースに,日本の患者特性と当院での経験に基づき改良を加えたものである。