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「ほぼ週刊 トップジャーナル・ハック!」No. 207番外編

公開日:2022.9.30


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Nature Vol 609, Issue 7928(2022年9月22日)日本語版 英語版





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トップジャーナルハックNo.207番外編:研究活動の「Flow」とEffort評価

 今週のTJH#207で紹介されたNature掲載論文は,本TJH執筆担当の一人,南宮湖先生がFirst authorとして自ら解説を書きました。特記すべき号となりました。
 研究の詳細は南宮先生の本文として,ここでは2点をコメントしたい。

 第一点は研究遂行の規模と迅速性です。2020年5月のプレスリリースにあるように,多くの研究施設が参加しました。実際に各施設の連携が非常にsmoothであったと考えられます。その経緯は一部メディアにも掲載(リンク)されている。Flow理論(Csikszentmihalyi, 1975:リンク)という考え方があります。この研究チームには正にそれが起こったのです。

 第二点は研究全体像の中でのFirst authorの選び方です。南宮先生は日本でのコロナ感染拡大を心配しながら,2020年5月には留学先の米国NIHにいた。TJH執筆開始は2020年7月,帰国は2021年3月です。この間南宮先生はアメリカから,各参加施設の学内審査対応支援等,正に研究の縁の下を支えました。本研究での患者実データへのwet lab,その数理解析へのdry labの重さは言うまでもありません。しかし本研究の指導的先生方は,6000名を越えるcohort形成の重要さをFirst authorに選んだ。この考え方に敬意を表します。

 TJHにアクセスいただく多くの若き臨床医には,大きな夢と実現への希望が与えられたのではないでしょうか。「Flow」は私自身,EGFR変異/分子標的薬の臨床試験遂行で経験しました。若い先生方にはいつの日かそうした不思議な「Flow」が訪れる研究に参画することを祈念し,南宮先生へのお祝いとします。本当にお疲れ様でした!

(貫和敏博)